2015年 10月 31日
意匠 平成24年(ワ)第33752号(オムロンvs.タニタ侵害訴訟) |
◆2つの意匠権に関しタニタの体組成計(“FitScan”)が一方には類似しないが他方には類似すると判断された事例。
◆Memo ・2つの意匠権で類否の結論が分かれており、参考になる。 ・輪郭形状の差、長方形型か正方形型か。
◆追記 ・(2016.1.15.)一審では1億円以上の損害賠償額が認められていたが、2016年1月14日知財高裁(清水裁判長)にて和解。@Yahooニュース ・(2016.2.22.)TANITAの登録商標「DualScan」(9類:脂肪計付き体重計etc)も4条1項11号違反と判断 @知財高裁 清水裁判長。 (2015.12.22. 弁理士 鈴木学)
【意匠、類似範囲、意匠法23条、関連意匠、要部】
「相違点について検討すると,正面視において,上記第3,2,(1),イのとおり,本件意匠2と被告意匠とでは透明ガラス板の縦横比が異なっている(本件意匠2が約1:1.4であり,被告意匠が約1:1.43である。)ものの,その差異は極めて小さく,いずれも看者に対し横長長方形であるという印象を与えるものというべきである。また,被告意匠には,液晶表示窓の周囲にある縁取模様があることが認められるが,これは液晶表示窓の大きさと比較してさほど大きいものではなく,正面視において目立つ色彩でもない。さらに,透明ガラス板の隅丸半径,電極部分の幅と長さの比,液晶表示窓の底辺と上側の左右に配置された電極の底辺との関係やスイッチ模様の個数に差異があるが,これらは,透明ガラス板の形状がほぼ同じであることから看者に対して与える共通の美感を凌駕するものとはいえない。
本件意匠2と被告意匠とでは,背面視において,上記第3,2,(1),イのとおり,本体部の背面の形状に差異があるが,これは要部における差異ではない。
さらに,上記第3,2,(1),イのとおり,被告意匠には側面視において不透明プロテクタ体があるが,不透明プロテクタ体は本体背面部と同系統の色彩であり厚みも薄いことから,この点も要部における具体的構成の共通性から看者に与える美感の同一性を凌駕するものとはいえない。したがって,本件意匠2と被告意匠とは上記のような差異点があることを考慮しても,看者に対して共通の美感を与えるものと認められるから,本件意匠2と被告意匠は類似しているというべきである。」
by manabu16779
| 2015-10-31 12:00
| 意匠
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