2016年 09月 02日
商標 平成28年(行ケ)10048号 FRMファイナンシャルリスクマネージャ事件 |
◆不使用取消に関連して提出したパンふレット記載の「FRM(ファイナンシャル・リスクマネージャー)養成講座」の記載が、実際の使用ではなく、パンフレット改定時に削除されず残っていただけのものと認定され、使用実績無しと判断された事件(不使用取消§50)。
【不使用取消審判、商§50、使用証明、2条3項8号、FRM養成講座、パンプレット】
「…甲2書面による通知どおり,平成23年以降はFRMの名称の使用を止め,FRM養成講座の名称を使用した講座を開講していないことを前提とすれば,平成23年10月の改訂後に本件案内書中にあるFRM養成講座についての記載( の「FRMファイナンシャル・リスクマネージャー養成講座」及び「FRM(ファイナンシャル・リスクマネージャー)養成講座」の各記載)は,被告が顧客である受講者らに対し,現に提供し,又は,提供を予定する「リスクマネジメント研修」の役務についての紹介や説明として記載されているものではなく,過去に提供していた「リスクマネジメント研修」の役務についての記載が,上記改訂時に削除されないまま,形式上残存しているというにすぎないものとみることができる。
そうすると,本件案内書自体は,被告の提供に係る「リスクマネジメント研修」の役務に関する広告に当たるとしても,本件案内書中の上記FRM養成講座の記載は,当該役務に関して付されているものとはいえないというべきであるから,仮に,要証期間内に,上記FRM養成講座の記載がある本件案内書が受講希望者らに配布された事実(本件配布行為の事実)が認められるとしても,これをもって,被告の上記役務に関する広告に上記FRM養成講座の記載に係る標章を付して頒布する行為(商標法2条3項8号)に該当するとはいえない。
してみると,本件配布行為をもって,本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において,商標権者が,本件取消請求役務のうち,「知識の教授」に含まれる「リスクマネジメント研修」について,本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したものと認められるとした本件審決の判断は誤りというべきである。 」
(知財高裁3部清水裁判長)
(2016.9.2. 弁理士 鈴木学)
by manabu16779
| 2016-09-02 18:26
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