2017年 06月 19日
著作 平成29年(ワ)4222号 twitter発信者情報開示請求事件 |
◆他人のTwitterプロフィール写真を複製/公衆送信したとして発信者情報開示請求が認められた事件。
【発信者情報開示、ツイッター、著作権侵害、プロバイダ責任制限法、4条1項】
「 1 争点1(権利侵害の明白性)について
事案に鑑み,著作権侵害について判断する。
(1) 証拠(甲1,2,4,8〔枝番省略〕)及び弁論の全趣旨によれば,原告は平成28年8月頃,原告自身を被写体とした原告写真をいわゆる自撮り (スマートフォン等を用いて撮影者自身を撮影する)に用いられるアプリを利用して撮影し,その後,ツイッターのプロフィールページに同写真を掲載したことが認められる。そして,同年11月21日,本件発信者が上記プロフィールページに掲載された原告写真を複製して本件記事に本件写真を掲載し,これを公衆に送信したものと推認できる。
(2) そうすると,原告が原告写真の著作者であること,本件記事に掲載された本件写真は原告の著作物である原告写真を複製したものであると認められるから,本件発信者による本件記事の投稿は原告写真に係る原告の複製権及び公衆送信権の侵害に当たると認められる。
(3) 被告の主張に対する判断
ア この点に関して被告は,本件記事は単に原告のツイッターのアカウント画面へのリンクを張っているにすぎず,同画面に表示されている顔写真が本件記事に複製されているわけでも,公衆に送信されているわけでもない旨主張する。
確かに,証拠(甲4[枝番省略])及び弁論の全趣旨によれば,本件スレ ッド中における本件記事の表示画面(甲4の1)をみると,本件写真がアイコン状に表示されており,それをクリックすると,原告のツイッターのアカウント画面様の表示が出現することが認められる。
しかし,本件スレッド中における本件記事の表示画面(甲4の1)と原告 のツイッターのアカウント画面様の表示(甲4の2)とを対比すると,左側 に表示された掲示板内の目次(たとえば,「ホスト総合話題」「東京のお店」「東京(あ~た行)のお店」など)は共通して表示されており,左下に印字されたURLも「(URL省略)」と共通していること,これに対し原告のツイッターのプロフィールページのURLが「(URL省略)」で始まるURLであること(甲2),ツイッターのアカウント画面様の表示(甲4の2)が一見してスクリーンショットであること,ツイッターのアカウント画面様 の表示とともに「914」という本件スレッドにおける本件記事の投稿番号や投稿された文章が表示されていること(甲4の2)からすれば,本件記事に掲載された本件写真を含む原告のツイッターのアカウント画面様の表示(甲4の2)はリンクではなく,本件記事に張り付けられた画像であって,単に閲覧者がアイコン状の表示をクリックすると当該投稿番号の投稿文とと もに上記画像が拡大して表示される形式になっているにすぎないと認められる。
したがって,被告の上記主張は採用することができない。 」
(東京地裁40部東海林裁判長、平成29年6月19日)
(2017.6.19. 弁理士 鈴木学)
by manabu16779
| 2017-06-19 22:04
| 著作権法
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