2018年 03月 29日
商標 平成29年(行ケ)10170号 PPF事件(3条1項3号) |
◆PPFがペイントプロテクションフィルムの略語として3条1項1号に該当するか等が争点となった事件。該当する。
【記述的商標、3条1項1号、3号、4条1項16号】
(商標法3条1項1号該当性)
「… そして,上記(2)イからエにおいて認定したとおり,本件商品の国内メーカーや施工業者のウェブサイト,雑誌の記事及び広告,ブログの投稿記事において,本件商品が,アメリカ発の先端的商品としてしばしば紹介され,かつ,その記事の中で,本件商品を指す用語として,「ペイントプロテクションフィルム」,「PPF」,「ペイント・プロテクション・フィルム(PPF)」の各語が繰り返し使用されていたことも明らかである。
そうすると,本件商品の取引者や需要者は,本件商標登録査定当時,(2)イからエに認定したような国内の記事を通じて,あるいは,(2)アに認定した国外の商品紹介記事等に直接接することによって(アにおいて認定したとおり,本件商品の需要者は,高級車や外国車を保有する消費者であるから,車やその美観の維持等について関心や意識が高いことが予想され,また,取引者は,そのような需要者を相手とする業者であることを考えると,国内の記事に関心を持った需要者や取引者が,国外の情報をも得ようとすることは十分に考えられるところであるし,現に,そのようなことが起こっていたことがうかがわれる。),「ペイントプロテクションフィルム」は,車の保護フィルムである本件商品一般を指す言葉であり,「PPF」はその略称であると認識していたものと認められる。
エ この点,ゲンロク平成27年9月号から平成28年3月号にかけて掲載された被告の広告には,いわゆるチェックマークと「Yes!PPF PAINT PROTECTION FILM」を組み合わせて意匠化したロゴと,「ペイント・プロテクション・フィルム(PPF:ピーピーエフ)」の語が記載されているところ(甲57の10から57の12),これらの広告のみを見る限りにおいては,「PPF」の語が,被告の販売・施工する自動車用車体・ガラス保護フィルムの出所識別標識として使用されているとみる余地もある。
しかし,これらの広告は,本件商標の登録査定日の約半年前からされたものにすぎず,それ以前からされている他者による「PPF」の語の使用状況に鑑みると,本件商品の取引者及び需要者においては,「PPF」の語が本件商品の一般的な略称として用いられていたとの判断を左右するに足りないというべきである。
オ 以上によれば,本件商品の取引者及び需要者は,本件商標の登録査定時において,「PPF」の語を本件商品の一般的な略称と認識していたと認めるのが相当である。 」
エフイートレード、クレフ
(知財高裁3部鶴岡判事、平成30年3月22日)
(2018.3.29. 弁理士 鈴木学)
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by manabu16779
| 2018-03-29 18:28
| 商標
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