2015年 11月 04日
特許 平成27年(行ケ)第10030号 審決取消請求事件 |
◆引用文献の図面からどの程度の内容まで認定できる?
【進歩性、阻害要因、図面】
「原告は,甲1の第1図には,回転駆動部8から下方に延びる非回転外筒が固定スリーブ管12に挿通される構成(実施例1)が記載され,甲1の明細書及び図面には,非回転外筒が設けられない構成(実施例2)が記載され,実施例1の非回転外筒は,回転駆動部8の機枠に一体的に垂下連結され,回転出力軸9に套嵌され,固定スリーブ管12を上下方向に自由に挿通するが,円周方向の回転は阻止されるから,本件発明1の固定ケーシングに相当すると主張し,実施例2のみ審理判断して,甲1文献に記載された固定スリーブ管12を本件発明1の固定ケーシングに対応させ,阻害要因があるとした審決の判断は誤りであると主張する。
イ 確かに,甲1の第1図に示された削孔装置7と第2図に示された削孔装置7とは,一見すると全体形状が異なっている。 しかしながら,甲1は公開特許公報であり,甲1に掲載された図は,いずれも特許出願の願書に添付された図面に描かれたものであるところ,一般に,特許出願の願書に添付される図面は,明細書を補完し,特許を受けようとする発明に係る技術内容を当業者に理解させるための説明図であるから,当該発明の技術内容を理解するために必要な程度の正確さを備えていれば足りる。したがって,甲1の第1図も,当業者が削孔装置7の設置状況を理解するために必要な程度の正確さしか期待できず,同図が,削孔装置7に関して極めて簡略な記載であることを考慮すると,その具体的な構成を認識することは困難である。 」
by manabu16779
| 2015-11-04 14:08
|
Comments(0)