2015年 12月 04日
特許 平成26年(ネ)第10102号 労働安全衛生マネージメントシステム事件控訴審 |
◆「労働安全衛生マネージメントシステム」特許の侵害訴訟で無効理由(§29②)があるとして権利行使が認められなかった事件。
【無効の抗弁、進歩性、特許法104条の3、特許法29条2項】
「(5) 本件発明1の容易想到性について
ア 相違点の容易想到性について
相違点に係る本件発明1の構成は,「危険源評価データ生成手段」が「前
記演算手段を使用して,前記危険源評価マスターテーブルを参照して,前
記内訳データ生成手段により生成された内訳データに含まれる各要素に基
づき,当該各要素に関連する危険有害要因および事故型分類を抽出し,該
抽出した危険有害要因および事故型分類を含む危険源評価データを生成す
る」(構成要件2-E)というものである。
本件発明1の特許請求の範囲(請求項1)の記載には,「危険源評価デ
ータ」が抽出した危険有害要因及び事故型分類を含むことのみが特定され
ており,その形式や態様等が特定されているわけではないから,「危険源」
評価データ」は,抽出した危険有害要因及び事故型分類を含むものであり
さえすれば足りるものと解される。
他方,乙5発明において,「内訳データ」に含まれる「要素」である「規
格」に基づき,「危険源評価マスターテーブル」を参照し,「当該要素に
関連する危険有害要因及び事故型分類」(「安全管理情報」)を抽出して
いることは,前記(4)オ認定のとおりである。
そして,乙5発明において,上記抽出した「安全管理情報」を利用する
ためにこれをデータとして出力し,「危険有害要因及び事故型分類を含む
危険源評価データ」を「生成」するように構成することは,当業者であれ
ば格別の困難なく行うことができたことが認められる。
したがって,乙5に接した当業者であれば,相違点に係る本件発明の構
成(構成要件2-Eの構成)を容易に想到することができたものと認めら
れる。
イ 小括
以上によれば,本件発明1は,当業者が乙5に記載された発明に基づい
て容易に想到することができたものと認められる。 」
by manabu16779
| 2015-12-04 12:10
| 特許裁判例
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