2015年 12月 22日
特許 平成27年(行ケ)第10060号(光伝送システム審取訴訟) |
◆課題の同一性を考慮し引用発明を組み合わせる動機付けがあるとして容易想到性が肯定された事件。
【進歩性、課題の共通性、動機付け、§29②】
「 上記①の主張は,本願発明の「光伝送システム」が光伝送ネットワークシステムであり,増幅を受ける光伝送ネットワークシステムに関連した技術的課題が生じていたことを前提とするものであるが,前記(1)イ及び(3)ウで述べたとおり,本願明細書の記載を参酌しても,本願発明である「光伝送システム」が「光伝送ネットワークシステム」に限定されるものと理解することはできない。
むしろ,本願明細書の【0003】,【0005】及び【0018】の,技術的課題に関する記載,すなわち,システム構成要素の老化及び全体的な劣化の問題は,いずれも光ファイバを用いた伝送システムに共通の課題であり,上記(2)イで認定した引用発明における課題と同一であって,「光伝送ネットワークシステム」に特有である,局側装置間の光伝送であること,データ伝送容量が大きいこと,伝送誤り率の水準が高いこと,伝送距離が長いことによって初めて生じる課題ではない。そうすると,GE-PON以外の光伝送システムにおいても,課題の解決のために引用発明の構成を組み合わせる動機付けがあり,「光伝送ネットワークシステム」に対しても引用発明に係る技術を適用することは容易想到である。 」
(知財高裁2部 清水裁判長、審×→判×)
◆Memo
・共通の課題なのか、それとも本願特有の課題なのか?
(2015.12.22. 弁理士 鈴木学)
by manabu16779
| 2015-12-22 14:05
| 特許裁判例
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