2016年 03月 17日
商標 平成27(行ケ)10193 COLEMAN拒絶審決取消訴訟 |
◆アウトドア用品、日用品で周知となっていた出願商標「COLEMAN」と、引用商標「コールマン」(リズム時計㈱)の類似性が問題となった事件。4条1項11号、類似。
【4条1項11号、外観称呼観念、取引実情、周知性、類否判断、出所混同のおそれ、COLEMAN、コールマン、リズム時計】
「 (イ) 引用商標の観念について
コールマンジャパンが作成した平成11年から平成27年にかけての商品カタログのいずれにも,修理に関する注意書及び原告の来歴や商品紹介等の欄において,「コールマン」を含む記載が多数存在していること(前記ア(オ))から,コールマンジャパンの取扱商品に関する取引においては「コールマン」が原告のブランドを示すものとして使用されているということができる。そして,「Coleman」の標章が付された商品が,アウトドア・キャンプ用品のみならず,日用品として使用可能な商品についても販売されていること(前記ア(イ))から,「コールマン」は,日用品の取引者,需要者の間で原告のブランドを示すものとしても,認識されていることが推認できる。
そうすると,日本国内の時計に係る取引者,需要者は,「コールマン」について,原告のブランドを示すものとしても認識するということができる。
以上の事実に鑑みれば,引用商標から,原告のブランドとの観念も生じるものということができる。
(ウ) 対比
以上のとおり,本願商標及び引用商標のいずれからも,原告のブランドとの観念が生じ,したがって,両商標からは同一の観念が生じる。 」
◆類否判断で考慮すべき「取引実情」は?
「…上記類否を判断する際に考慮すべき取引の実情は,特定の商品等に関わる個別的な事情や,一時的な事情ではなく,当該指定商品全般についての一般的,恒常的な取引の実情であると解すべきであるところ,原告の主張に係る本願商標及びリズム時計による引用商標の使用状況は,これに当たらない。」
(知財高裁4部高部裁判長 裁:×)
◆Memo
・外観称呼観念(取引実情)による類否判断。
・周知著名性によっては、引用商標から原告ブランドの観念が生じてしまうことがある。
・現実の出所混同は生じていないとの主張は認められず。おそれもないとの主張も、将来の権利譲渡使用許諾などを理由に、認められず。
(2016.3.17. 弁理士 鈴木学)
by manabu16779
| 2016-03-17 20:10
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