2016年 06月 15日
意匠 平成27年(ネ)2384号 ヘッドホン意匠侵害訴訟事件 |
◆ヘッドホンの意匠に関し、炭素繊維によって模様が描かれていること(願書には材質の記載無し)が意匠の構成要素となるか否かが問題となった事件。構成要素とならず。

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/953/085953_hanrei.pdf
「…本件全証拠によっても,願書添付の図面(写真)に表れたイヤホン胴部の光沢感等が炭素繊維以外の素材では容易に実現できないものと認めることはできないから,願書に材質についての記載がない以上,炭素繊維により模様が描かれていることは本件意匠の構成とはなり得ず,控訴人の上記主張は採用できない。
【意匠、材質、炭素繊維、カーボンファイバー、京都地裁、大阪高裁】

(2) 本件意匠の要部について
控訴人は,本件意匠の要部は,円柱形状のイヤホン胴部に炭素繊維により矩形区画を隣接して繰り返し描くことにより模様を形成したことであって,矩形区画の形状,個数及び構成といった模様の細部は,一見して把握できないから,要部となることはない旨主張する。
しかし,まず,炭素繊維により模様が描かれていることは,前記(1)のとおり,本件意匠の構成には含まれないから,本件意匠の要部となることもない。
また,模様である矩形区画の形状,個数及び構成のうち,個数については,繰り返し並んでいるという限度でしか把握されないというべきであるから要部には含まれないが,形状及び構成については,光沢により見え方が曖昧な箇所もあるものの,そのような箇所も含めて色合いの違いにより格子状の直線を看取することができ,全体として市松模様が描かれていることは十分感得することができるというべきである。 」
・原審:京都地裁 所平成26年(ワ)第2383号
(大阪高裁8部 山田裁判長)
◆Memo
・材質に特徴がある場合、願書記載に注意。
(2016.6.15. 弁理士 鈴木学)
by manabu16779
| 2016-06-15 20:08
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