2016年 10月 27日
特許 平成27年(行ケ)10197号 換気構造体事件 |
◆屋根の換気構造の進歩性が問題となった事件。進歩性有り。
【進歩性、技術的意義、開示・示唆】
「(5) 相違点1に係る容易想到性の判断の誤り
ア 原告は,引用発明1において,相違点1に係る本件発明の構成を備えるようにすることは,引用発明1に「コーナー部を複数備える点」について開示,示唆されているから,当業者が容易に想到することができたものである旨主張するものと解される。
イ しかし,相違点1に係る本件発明の構成,すなわち「コーナー部」が,「外方の開口位置から少なくとも3箇所以上連続して形成され」るという構成は,引用例1を含むいずれの証拠にも記載されていない。
また,本件発明において,「コーナー部」が,「外方の開口位置から少なくとも3箇所以上連続して形成され」ることの技術的意義は,通気口47から流れ込んだ雨水の流れの運動エネルギーを,各々のコーナー部を曲がる度に放出させ,第3コーナー部80を通過した後の雨水の流れの勢いを低下させるところにあると認められるところ(本件明細書の【0055】),かかる技術的意義を示唆するような記載は,引用例1を含むいずれの証拠にもない。
ウ よって,原告の主張は理由がなく,引用発明1において,相違点1に係る本件発明の構成を備えるようにすることは,当業者が容易に想到することができたものということはできないから,本件審決の相違点1に係る容易想到性の判断に誤りはない。 」
タニタハウジングウェア、ハウゼコ
(知財高裁4部高部判事)
(2016.10.27. 弁理士 鈴木学)
by manabu16779
| 2016-10-27 19:19
| 特許裁判例
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