2016年 12月 16日
特許 平成28年(行ケ)10074号 畦塗り機無効審判控訴審事件 |
◆畦塗り機の特許に関し、進歩性等の無効理由の有無が争点となった事件。動機付け無し、進歩性肯定。
【進歩性、動機付け、新規事項追加、サポート要件、実施可能要件、侵害訴訟、引用発明組合せ】
(容易想到性)
「(3) 相違点3の容易想到性について
ア 引用発明は,図3及び図4に開示されるジグザグ状に一体に形成された円錐回転体と,図5及び図6に開示される扇型の独立した複数の分割片で形成され,円錐台状の分割片取り付け盤の表面に,分割片の端部を相互に重複させながらビスで取り付けて形成された円錐回転体との実施の形態を有したものである。
イ そもそも引用発明には,円錐回転体を独立した複数の分割片で形成することが開示されているから(図5及び図6),引用発明について,原告主張に係る周知の技術(農作業機の技術分野において,回転しながら農作業する作業部材について,一連の部材で一体製作することに代えて別個に製造した複数の部品を組み合わせて同一形状に製作すること。周知例1ないし4)を採用する動機付けがあるとはいえない。仮に,ジグザグ状に一体に形成された円錐回転体である実施の形態(図3及び図4)に対して,原告主張に係る周知の技術を採用したとしても,せいぜい円錐回転体を複数の片に分割して形成することを導くことができる程度であり,分割片と連結部材とに分割すること,まして,分割片相互の具体的な連結構造については,全く導出することができない。
したがって,引用発明において,相違点3に係る本件訂正発明の構成とすることは,当業者が容易になし得たとすることはできない。」
松山株式会社、 小橋工業
(知財高裁4部高部判事)
◆Memo:
・仮に周知技術を採用したときに、どのようなのものが導かれどのようなものは導かれないか。
(2016.12.16. 弁理士 鈴木学)
by manabu16779
| 2016-12-16 12:24
| 特許裁判例
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