2017年 06月 28日
特許 平成28年(行ケ)10169号 ナビゲーション装置事件(新規性・進歩性) |
◆ナビゲーションの発明に関し、引例の経路探索方式では本願のようなデータ比較処理の必要がなく、構成変更の動機付けが無いとして進歩性が肯定された事件。
【無効審判、訂正、新規性、進歩性、特許法29条2項、容易想到性、動機付け、カーナビ、36条、記載要件】
(容易想到性)
「(1) 相違点3及び相違点4の容易想到性について
引用発明1は,進路案内表示が開始される前に自車が移動してしまった場合に,経路データの始点を「出発交差点よりも近い途中交差点」に変更して経路データを設定し直すことで対応するものであるから,原告が課題として考慮すべきであると主張する「始端交差点に到達した時点で誘導開始指令を与え忘れて設定経路を走行し,2番目,3番目の交差点まで到達してしまったような場合」であっても,経路データの始点を「2番目,3番目の交差点」に設定し直すにすぎず,誘導開始地点を特定するために,経路データの当初の始点である出発地と「2番目,3番目の交差点」とを比較する必要はない。
したがって,引用発明1を,相違点3の「誘導情報出力手段」及び相違点4の「誘導情報出力手段を制御する制御手段」に係る本件訂正発明1の構成に変更する動機付けがあるとは認め難い。そして,かかる動機付けが認められない以上,仮に,相違点3及び相違点4に相当する構成が他の文献から公知であるといえたとしても,引用発明1から相違点3及び相違点4に係る構成が容易に想到し得たものとはいえない。 」
ガーミンリミテッド、パイオニア
(知財高裁4部高部判事、平成29年6月27日)
(2017.6.28. 弁理士 鈴木学)
by manabu16779
| 2017-06-28 19:10
| 特許裁判例
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