2017年 07月 13日
特許 平成28年(行ケ)10180号 ランフラットタイヤ事件(進歩性) |
◆ランフラットタイヤを構成するゴムの組成を数値限定した発明の進歩性が争点となった事件。進歩性有り。
【進歩性、数値限定、温度、特許法29条2項、無効審判、審決取消訴訟】
(相違点に係る容易想到性)
「⑵ 以上のとおり,引用例2には,タイヤ用ゴム組成物において,275℃から330℃までの各温度においてブローアウトしたか否かについて計測されている。
しかし,その課題は,急激な温度上昇下におけるトレッドゴム組成物の耐熱性を向上させるというものであって,トレッドゴム組成物と本件発明の補強用ゴム組成物とは,部位が全く異なり,また,引用例2は,ランフラットタイヤを前提とするものでもない。
したがって,引用発明2は,ランフラットタイヤの補強用ゴム組成物における170℃から200℃までの温度範囲に着目するものということはできない。また,前記4⑶イないしクで検討したとおり,本件特許の原出願日当時,ランフラットタイヤの補強用ゴム組成物において,170℃から200℃までの温度範囲に着目されていたということはできないから,引用発明2を引用発明1に適用するに当たり,170℃から200℃までの温度範囲を設定できるものでもない。
そうすると,引用発明1に引用発明2を適用しても,相違点1に係る本件発明の構成には至らないというべきである。 」
住友ゴム工業、ブリジストン
(知財高裁4部高部判事、平成29年7月11日)
(2017.7.13. 弁理士 鈴木学)
by manabu16779
| 2017-07-13 12:30
| 特許裁判例
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